『Beautiful』(キャロル:平原綾香)感想

ごきげんよう!楓華 @Wisfil_Fukaです。

先日、帝国劇場に『Beautiful』を観に行ってきました!

『Beautiful』は、キャロル・キングさんというアメリカのシンガーソングライターの半生(と言っても、16歳から30歳くらいまで)を描いた作品で、日本では2017年以来の再演でした。

キャロルの役はWキャストで、私は平原綾香(あーや)の日に観劇♪

 

彼女が活躍したのは、1960〜80年代ということでお客さんの年齢層はかなり高め(60〜70代が主)でしたが、

彼女のことをあまり知らない30歳なりにとても楽しめたので、

今回は、『Besutiful』の感想を紹介します!!

作品の感想

キャロル・キングが16歳の女子大生(2つ飛び級している。)として自分の作品をレコード会社に売り込み作曲家としてデビューをするところから、

29歳でカーネギーホールでのコンサートを成功させるまでの半生を描いた作品でした。

 

作中(特に前半)では、彼女が手掛けた曲がテレビ番組を見ているように、次々に流れるのですが、

私は、2017年にも観劇したにも関わらず、彼女の作った楽曲については、2曲ほど聴いたことはあったものの、ほぼ初聴の歌ばかりでした。

しかし、曲は知らなくとも、オールドアメリカンの服装や雰囲気が好きなので、真っ白の心で70年代、80年代のアメリカンポップスを楽しむことが出来、とても楽しかったです。

アンサンブルの方が、当時人気だった“シュレルズ”や“ドリフターズ”などになりきり、歌うのですが、とにかく皆歌がうまい!

アンサンブルの方が、あんなに前面に出て、歌声を披露できる作品って私のイメージでは少ないので、

アンサンブルの方、アンサンブルのファンの方はとても嬉しいだろうな。と思うと同時に、

私自身も“ドリフターズ”のメインボーカル役の方の歌声をとても気に入りました。

名前までは分からないのが残念ですが…。

(東宝さん公式サイトに載せてよー涙。)

 

あと、演出も楽しい仕掛け?があって、

「○○はこんなこと言ってたわ。」というと、その役の人が舞台脇に現れて、そのセリフを話して、即座に消える。

テレビをつけたら、テレビで歌っている様子を舞台脇で再現し、テレビを消すと同時にフレームアウト。

というコミカルな、古いアメリカのコミカルな映画?ドラマを見ているような演出があり楽しかったです。

 

 

全体を通して、彼女や彼女のライバルであり親友であったバリーとシンシアの作品が流れ、楽しい雰囲気ですが、

その一方でキャロルの人生は、夫であり共同制作者の浮気者のジェリーのせいで波乱万丈で、

17歳で出産、結婚するも、26歳で離婚、幼子2人を抱えて活動拠点を東から西に移し…と可哀想、苦しい場面も多く、

でも、最後には全てに打ち勝ちカーネギーホールでのコンサートを成功させるというストーリーですので、

見てる側も、キャロルと一緒にジェットコースターのように、

楽しい→苦しい→幸せそう→再び可哀想→友情に感動→成功し嬉しい。

というように、上がったり下がったりするので、感情の落差のある作品で、途中苦しくなることもありますが、最後には感動して少し涙がでるような作品でした。

 

個人的には、とても良い作品。よく出来た楽しい作品だと思うのですが、2017年の初演も、今回の再演もチケットの売れ行きがイマイチぽいので、

こんなに作品自体も良いし、出演者の歌唱力も高いのに勿体ないな。と感じました。

キャストの感想

平原綾香

幕が開き、一番最初のシーンは最後に続くカーネギーホールでのピアノ弾き語りのシーンでした。

ピアノに座り、歌い出すのですが、

いきなり声がパワフルでソウルフルで、彼女の歌の世界、キャロル・キングの半生に一気に引き込まれていきました。

 

彼女は、歌手なので主役をはる“ミュージカル女優”としては、残念ながら、スタイルや見た目は微妙だと思います。

しかし、だからこそ、彼女だからこそ、

ちょっとイケテなくて、真面目で、面白みがないけれど、

聡明で作曲の才能があるキャロルを演じ、役に説得力を出すことができるのだろうな。と感じました。

のちに夫であり、共同制作者のイケテるジェリーに初めて会うシーンでは、彼の横にいるイケテる女の子を見て、

「彼女みたいな、出るところが出てる子が、ジェリーの好みなんだわ。ついている肉量的には同じくらいだけど。私は、その。ついている場所が違うのよ。」

というセリフが、妙にリアルで、私も同じタイプ(体型)なので、親近感を覚えると同時に、キャロルという役の説得力が増しました笑。

 

あと、ジェリーに何度も、

「君といるとつまらない。君といると、息が詰まる。君がおばさんに見える。」というようなひどいことを言われるのですが、

あーやの真面目な雰囲気は、子供を抱えながら、昼は仕事、夜は子育てと大忙しで、

仕事の“勉強のため”としても、子どもを思い気楽にナイトクラブに足を運べない、

ポーカーで、野球拳みたいなのをして盛り上がって来たところで、「別のゲームをしよう!」と提案するような、場を白けさせてしまうような、

ジェリーに言わせれば、“つまらない奴”と見えてしまう雰囲気があり、

キャロル役にピッタリだな。と思うと同時に、

ピッタリすぎて、こっちまで辛くなるほどでした。

(子どもためを思ったら、母親は日中働いていたら、夜は一緒にいたいから、出掛けられないのは、しょうがないじゃんね??ジェリーのばか!)

 

けれども、不器用ながらもジェリーを一途に思い、

でも耐えきれず離婚し、子供を抱え苦しみ、

迷いながらも前に進み、

そして最後にはカーネギーホールコンサートを成功させる様子は、

あーやの真面目で、ちょっと不器用な雰囲気だからこそ、

応援したくなるし、成功したことを素直に観客として喜べたし、感動できたし、

彼女以上に、イケテない少女、つまらない女、でも才能に溢れるキャロルの役が似合う人いる??と思うほど、

ピッタリのあたり役でした。

(褒めてますよ!!)

 

まぁ、Wキャストの奈々様を見たことがないので、断言は出来ませんが、あーや=キャロルでした。

伊礼彼方

彼は、歌もうまいけれど、何と言っても地声が良い!

セリフを言う時の声が、マイクによく乗るので、

まるで来日版のミュージカルを吹き替えで見ているような錯覚に陥る素敵な声でした。

 

役としては、キャロルの夫であり、共同制作者のジェリー役ですが、

まぁ遊び人だし、浮気モンだし、薬のせいか約束守らないわ、グチグチ言うわ、まぁ面倒臭い、嫌な奴でした。

ジャベールのように、朗々と歌いあげる!というようなシーンはありませんでしたが、

出来上がった曲を軽く歌ったり、キャロルとハモってみたり、する時の歌声が軽く歌っているのに、本当にうまかったです。

 

あと、身長が178センチと長身で、スタイルが良く、顔もハーフで端正なので、

浮気もんのモテ男感が見た目的にも説得力ありました笑。

(ただ、個人的にはレミゼの制作発表の時に、ど緊張で少し落ち着きを失いながら?STARSを歌唱しているのを生で見たので、本当の彼は、真面目で良い人だと勝手に思い込んでます笑。)

ソニン

キャロルのライバルであり、親友でもある、作詞家のシンシアの役でした。

洋画や海外ドラマの吹き替えのような話し方だったので、

喋り方からして、“アメリカン”な雰囲気が出ているし、コミカルだし、本当に演技がうまい!!

 

ソニンと言ったら、『マリーアントワネット』のマルグリットや、『モーツァルト!』のコンスタンツェ役のような、

悪女、怨念系のドスが効いた役や、

『ミス・サイゴン』のキム、『レミゼ』のエポニーヌのような、

悲しみが前面に出る、可哀想で悲惨な役(そんな一言でこの2つの役は片付けられませんが。とりあえず。)を上手に演じる女優さんですが、

今回のシンシアのオシャレでユニークな役や、

『キンキーブーツ』のローレンのような、はっちゃけた女の子の役のような、

アメリカーン(キンキーはイギリスだけどw)な雰囲気の女の子も本当によく似合う、

最高のカメレオン女優さん、ミュージカル界には欠かせない女優さんだな。と思いました。

(EE JUMP割と好きだったけど、ダメになって良かった!!とさえ思ってしまうほどの逸材☆★)

 

個人的には、来年4月の『ウェイトレス』高畑充希ちゃんも良いけれど、ソニンにやって欲しかったなー。

彼女もしたかったみたいだし…。

中川晃教

『ジャージーボーイズ』で7月に見て以来だったので、

割とよく見ている俳優さん感あります。

 

今回の役は、シンシア(ソニン)と共同制作している作曲家のバリー・マンの役でした。

病院好き?で何かあるとすぐに病院に行きたがる真面目だけどユニークな繊細さん役で、

共同制作者であり、のちの妻であるシンシアの尻に敷かれっぱなしのちょっと情けないけれど、

愛情深く、友情にも厚い素敵なお役でした。

 

ソニンや彼方くんと同様に、あくまで作詞家、作曲家の役なので歌い上げるようなナンバーはなかったけれど、

彼のカラッとした声、高い歌唱力は軽く歌う場面でも発揮されていて、

本当に歌うまいな。

ロックぽいけれど、軽くて聴きやすくて素敵な声してるな。

と再確認しました。

 

どんなに、曲が売れても弱気で、ちょっと情けない雰囲気は変わらず、

強気な女の子のシンシア(ソニン)に、終始弄ばれているような情けないというか、弱い演技がうまくて、

ソニンとアッキーという2人の雰囲気がとてもお似合いで、

「この2人、プライベートでもくっついて欲しい!」と思うほどでした。

ソニン同様、彼もオールドアメリカーンな雰囲気の作品、役がとても似合う最高のミュージカル俳優さんだと実感しました。

おわりに

大したこと書けませんでしたが、いかがだったでしょうか?

 

キャロル(平原綾香)という主人公を通して、当時のアメリカの雰囲気や、ヒット曲について楽しく学べ、

そして、キャロルの波乱万丈な人生に心痛めたり、成功を心から喜べたり、

休憩含め3時間ほどのミュージカルですが、

すごくまとまりの良い、70年代アメリカンポップスということもあり勢いと楽しさもある、

よく出来た作品だな。と思いました。

 

あと、舞台の枠?が欄間のような、寄木細工のような、鬼滅の禰豆子の麻の葉柄のようで、

アメリカが舞台の作品なのに、少し和風ぽくて、でも全く違和感がなくて、細かいところですが、その部分を妙に魅力的に思いました。

 

あまり客入りが良くありませんでしたが、

もしまた再演されたら、絶対に見たい!と思う、キャストもストーリーも素敵な作品でした。

 

最後までお付き合い頂きありがとうございました!!

それでは!!ごきげんよう。

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