ごきげんよう!楓華 @Wisfil_Fukaです。
先日に引き続きまして、昨年12月までの約8年弱信用金庫で勤務した中で出会った、困ったお客様について紹介します。
第7回の今回は、困ったお客様というよりは、窓口担当としてやさぐれ始めていた私が、とある脅し文句を言ってくるお客様への対応を硬化していった話です。
接客業をしていると一定数いらっしゃる、沸点が非常に低い方。
お客様を怒らせてしまった際には、もちろん誠心誠意丁寧に対応をし、一生懸命なだめていましたが、
退職する前の1年ほどは、とある言葉をお客様が仰られた瞬間に私は掌返をする様にしていました。
そこで今回は、その一例として、名義変更のためにご来店されたJ様について紹介します!
入庫から辞めるまでの過程については、こちらから!


よく言われる脅し文句
まず、金融機関は融通が効かない場所です。
超絶細かく、分厚い要領なるものの通りに事務を行うので、基本的に特例は認められません。
(特にここ数年は、法律やら特殊詐欺、家族間での紛争等々のせいで更に厳しくなってます…。)
そのため、「この状況なら、出金してあげたいな。」
なんて窓口担当としては思うことは多々ありましたが、特例を認めてしまうと、その後紛争に巻き込まれてしまうこともあるので、
基本的に要領通り、役席の指示通りしか動くことができませんでした。
(どうか金融機関に行く前には、ネットで必要書類をよく確認し、基本融通は効かないことをご了承下さい。ごねてもどうにもなりません。)
そのため、まぁお客様からは、
「なんでなの?融通効かないな。私の預金よ?」
なんて言われることも多々。
そして、ご立腹されたお客様の多くは、
「昔から取引しているのに。もう良い!全部解約する!!」と仰り出すのです。
そんな時は、いつも、
「そんなこと仰らず〜。○○様が解約されると困っちゃいますぅ〜。お願いしますよぉ〜。」
なんて甘ったるい声を出して、優しくお客様に言い怒りを治めるよう努めていました。
ただ、正直このようなことを仰る方は、あまり預金がなかったり、
取引が長いだけで融資もなく、粗品ドロボータイプが多いので、解約されたって別にうちの預金量にも利益にも何ら響かないのが現実。
(粗品ドロボーについては、困ったお客様シリーズ①をご覧下さい。)
それに、本当に解約する人は「遠くに引っ越すので。」というような言い訳を作り、文句も言わずひっそりと解約するので、「解約してやる」勢は、ただの“かまってちゃん”でしかありません。
入庫6〜7年目くらいまでは、真面目に「困りますぅ〜」という弱腰を貫いていましたが、
現実が分かるようになってきた、8年目くらいからはだんだん、なだめるのも、すかすのも面倒になっていきました。
(やさぐれ窓口…。)
名義変更にやってきたJ様
そんな、やさぐれ窓口へと私がなっていったある日、名義変更のために40代のJ様がご来店されました。
名義変更は、諸届(変更手続)の中でも一番持参物が足りない、処理時間が長すぎる等々で揉めやすい手続きです。
というのも、名前が変わったということが分かる公的な証拠、運転免許証やマイナンバーカードの裏面や、戸籍謄本などと、
登録と表記を変えるために通帳、キャッシュカード、届出印鑑などをお客様にご持参頂かなくてはいけないからです。
(※今は一部簡略化されています。)
J様は、届出印鑑、通帳、キャッシュカードを持ってきてくださいましたが、残念ながら免許証裏面に名義変更の記録はなく、戸籍謄本もお持ちではなく、(離婚に伴う転居済の)住民票しかお持ちではありませんでした。
一応住民票の世帯主の欄には、J様の新しい姓名が書かれ、当庫に登録されている住所と同じ住所より転入との表記があります。
そのため、J様の言い分としては、
「苗字が変わったことは、これで分かるから問題ないはず。」とのこと。
確かに、
当庫に登録されている住所と住民票に記載されている、転入前住所は同じ、
住民票の世帯主の名前は、苗字は違うけれどJ様と名前は同じ、
そのため、苗字が変わったことは、分からなくはないですが、
今まで住民票だけで名義変更手続きをしたことがないので、良い、悪いは窓口担当の私では判断出来ません。
そのため、役席に相談しましたが、戸籍謄本か裏面更新済み運転免許証を改めて持ってきて頂くか、後日郵送して欲しいとのことでしたので、その旨申し上げました。
(正直やってあげたって良いじゃん…とは思いますが、後日本部の監査が入った時に、要領通りではない!等々めっちゃくちゃネチネチ言われる可能性があるので、柔軟に対応できないのです…。)
するとJ様は、例の脅し文句、
「あーもー良い!面倒くさいから全部解約するわ。」
と仰ったのです。
やさぐれ窓口の対応とその後
あー、出たよ。と思った私は、
「かしこまりました。大変残念ですが、お客様のご意思ということでしたら、お止めすることはできませんね。こちらの書類に記入をお願いします。」
と丁寧に申し上げ、解約用紙をお渡ししました。
するとJ様は、
「え、あ、その、そういうつもりで、本気で言ったわけではないから…。戸籍謄本を取り寄せるか、警察署で免許証の裏面を更新してから出直します。」
と仰りお帰りになりました。
やさぐれ窓口の今までの経験上、「解約してやる!」と仰る方の中で本気で解約をする気があることは、ほとんどいらっしゃいません。
大体の場合、「ごねればどうにかなる。」「解約と言えば言うこと聞いてくれる。」という考えのもと口にしているだけのパターンばかり。
現に、J様の後も「解約してやる!」と仰る方には、同様の言動をとりましたが、
本当に解約されることを選んだ方、その後取引解消された方はいらっしゃいませんでした。
おわりに
『お客様は神様です。』という言葉がありますが、
この言葉の生みの親の三波春夫は、
「お客様を神様だと思い、神前に立つつもりで背筋を正し、雑念をなくし澄んだ清らかな気持ちで完璧なパフォーマンスをする。」
という意味合いで言い出したそうです。
しかし、それがいつしか、「お客様(自分)は神様だから、言うことを聞け!」というニュアンスの都合の良い解釈がされるようになり、
店員は、お客様の言うことに絶対服従というような力関係が生まれるようになりました。
しかし、窓口として接客をしていた身からすると、この言葉は実にバカバカしいし、
自分で自分のことを神様なんて痴がましいこと甚だしいし、
店員とて人間だし、社内ルールがあるのだから言うこと聞いて!と思います。
やさぐれ窓口の私の態度は、褒められたものではないとは思いますが、
自分の都合を通すために『解約』というワードを安易に出すお客様は、好きになれず、面倒極まりなかったので、
丁寧に対応しつつ、毅然とした態度で言う内容を硬化していったのでした。
とはいえ、金融機関の融通の効かなさも如何なもんかとも思いますがね…苦笑。
最後まで読んでいただき、ありがとうございまいた。
それでは!ごきげんよう。
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信金窓口が遭遇した困った(ヤバイ)お客様シリーズはこちらから。





