井上芳雄ファン歴10年の楓華的に好きだった役、第1位!
ごきげんよう!楓華 @Wisfil_Fukaです。
私は、2010年に帝国劇場にて『モーツァルト!』を見て以来、
約10年間井上芳雄さんのファンです。
事情があり、ファンクラブ(芳芳クラブ)には入会していないので、チケット取得が出来ず観劇できていない公演も多くあるのですが、
私なりに井上芳雄が輝いていた、輝いている作品・役について語りたいと思います。
今回は、最初なのにいきなり“第1位”から発表!
あくまで、個人の意見ですので悪しからず…。
また、普段“芳雄”と呼んでいるので、ここでもこの呼び方を致します。
不動の1位は、伝説のあの役!
私にとっての不動の第1位は、
『モーツァルト!』のヴォルフガングです。
この作品は、私が芳雄に出会った作品ですし、
もう生で見ることのできない伝説の役ですので、
個人的に思い入れが強い!という理由もありますが、
1番芳雄らしさ、芳雄の良さが出ていた作品だと思います。
ヴォルフガングの、
神に愛されし音楽の才能を与えられた天才。
でも、その“天才”と“アマデ(幼い頃の自分)”に追いかけられ、
付き纏われて、苦しめられ、
心が幼稚で不器用で、浅はか、そのため利用されやすく、
周りの大切なものや人を壊したり傷つけてしまい、
さらに苦悩する生き様。
私は、いっくん(山崎育三郎)とゆんくん(古川雄大)でも見たことがあるので、
それぞれの表現力でそれぞれの良さがあるので、
どなたのヴォルフも好きなのですが、
やはり芳雄のヴォルフは格別!
私が好きで好きでしょうがない、
彼の魅力の全てが『モーツァルト!』のヴォルフガングという役には詰まっているように感じます。
ヤンチャさと甘さと生意気さ
芳雄って大人な素敵な男性なんですけど、なんというか、
“やんちゃさ”があるので、そのヤンチャさが序盤で爆発しています。
「子供の頃の演奏旅行で〜」の幼稚さと甘さが残る少年姿。
博打で勝ったお金で、子供の頃のような赤いコート買ってはしゃぐ姿は“少年”そのもの。
『僕こそ音楽』では、自分の不器用さが分かった上で、自分には音楽しかない!だから音楽で“自分”というものを表現する。
だから、ありのままの僕を愛して?ね??という甘い期待と願い、
音楽しかないから、音楽で生きるという決意。が現れています。
この時は、世間の厳しさもまだ分かっていないので、
声も高いというか明るいですし、素直さと若さも見えます。
歌い終わった後に、いつもちょっとハニカムんですけど、
その顔の幼さ、少年ぽさと言ったら何とも言えない!
歌声も若けりゃ、顔も表情も若い!!
そして、コロレド大司教の家で大暴れするシーンの憎たらしさ、自意識過剰さは、芳雄そのものだな。と感じます。
もちろん、芳雄には才能もありますし、目上の方への配慮も出来、謙虚さも持ち合わせているので、ヴォルフのような無礼な行動を実際にはしないと思います。
(MOZART!の入り待ちの時に、「このあと市村さんと山口さん来るみたいだから、それまでに楽屋入らなきゃ。握手しか出来ない。ごめんね…。」というように、大先輩に配慮する言葉を何度か生で聞いたことありますし。)
でも、私が思うに芳雄は、
誰にも負けない強い“自信”に満ちており、その、
“自信”を武器とし、鎧とし、戦ってきていると思います。
(もちろん役に対する真摯さ苦悩もありますがね。)
この自分への“自信”がヴォルフと共通しており、
(ヴォルフは“自信”というより“過信”に近いですけど…。)
コロレドへの態度でそれが爆発しているように感じます。
ちなみに、いっくんヴォルフも“自信”と“才能”を武器に戦っているのですが、芳雄の生意気さには敵わないと思います。
また、ゆんヴォルフは、“過信”と“甘え”に溢れ、何をしたらどんな目に遭わされるか想像出来ない、“幼稚さ”たっぷり。
あと、反抗することに楽しさすら見出していそうな浅はかさがあり、これはこれで好きです。
利用される無垢さ
以前、なにかのトーク番組で、(『ごきげんよう』だったかな?)
芳雄が1人でNYに行った時に男の人にぶつかり、
その男性の眼鏡が破損。
そして、持っていたメガネの領収書を出され、その金額を請求されてしまい、(確か)疑問に思わず申し訳なさから払った。
というエピソードを話していました。
何というか、隙があるんですかね。
お人好しな感じがあるんですかね…。
後から、なんでメガネの請求書持ってるんだ?と思ったらしいんですが後の祭り。完全に騙されてますよね。
そして、この無垢さとお人好しのところは、ヴォルフガングと同じだな。と思います。
ヴァルトシュテッテン男爵夫人の、
「ウィーンに来て自分の才能を試してみない?」
は、ヴォルフにとっては、狭くて窮屈なザルツブルクを逃げ出せる助け船。
自分を救ってくれるような甘い言葉に誘われ、あっさり乗船。
彼女は、恐らくヴォルフの加護をしてヴォルフを有名にすることにより、自分の名を挙げようとしているのに、それに気づかない。
実際のことは知りませんが、
『ここはウィーン』の、
「背中にナイフを突き刺し手にはキスをする。」とか、
「成功したら後は、潰されるだけ」とか、
歌っている場面にいるのだから、恐らく彼女は自分の策略に利用する“駒”くらいにしかヴォルフを思っていない。
ウェーバー家なんて利用しようとする人の代表格。
(コンスタンツェは、実は私結構好きなキャラクターなので、あの家族の他の面々とは違う!と思っているので、ここでは除きます。)
ただの“金づる”としか思われておらず、
“美人局作戦”や“家庭の温かみ作戦”で彼らの掌中に。
でも、純粋なヴォルフは気づかず。
本当の芳雄は、ここまで脇アマではないとは思うものの、
NYでの一件を聞く限りは、少しヴォルフと
“お人好し”、“人を疑うことを知らない”というところでは、共通しているのかな。なんて思います笑。
(10歳近く年上の方に失礼ですよね…。)
歌に感情を載せても楽譜通り歌える技術
芳雄といえば、東京藝術大学卒の実力派で歌のうまさが群を抜いていますが、
その歌声の中の“表現力”とそれでも“楽譜を守る”技術が彼は優れているように思います。
1幕最後の曲『影を逃れて』では、
失望と絶望、そして「このままではダメだ」という思い、自立しようとする意志、
「でも、じゃぁこれからどうすれば良いのか分からない」という焦りの間で葛藤する様子が歌声にも表現されています。
曲中の歌詞のワードに合わせて声色や歌い方(でも楽譜は守る)を自在に変え、
例えば、
「誰にも頼らない」のところだと、自立するぞ。と思っているものの、でもどうやってすれば良いのかまだ分かっていない不安気な様子。
「笑いと涙溢れる僕の生き方」では、笑声だけど少し寂しそうな声。
そのあとの「どうすれば」は、情けないほどに頼りなく、
「誰にも頼らない。」と先程言ったけど、
まだ少し甘えを捨て切れていない甘えるような歌い方。誰かに教えて欲しそうな声。
自分の幼い頃であり栄光である、
“アマデ”の存在が自分の影、足かせのようになり、自分を追い込み苦しめている。
逃げたいけれど、影だから逃れることはできない。
自分の過去を、自分の栄光を越えたいのに、それはいつも自分を苦しめる。
葛藤する思いが、絞り出される声によって感じられていつも泣いてしまいます。
また、『何故愛せないの?』の出だし、
「パパ今夜こそは喜んでもらえるとおもっていたのに。」のセリフ。
この言い方には、いつまでもパパを思い、パパに認めて貰いたい。褒めて貰いたい。
という気持ちがあるのに、それがパパには届かない、分かってもらえない、
虚しさが漏れ出ていて、歌い出しの前から胸が締め付けられます。
そこからの、「確かに僕は無責任パパの言う通り。」の茫然とした顔と声色。
1つの曲の中で緩急をつけて、あらゆる感情、ヴォルフの中にある気持ちを語るように歌い、
歌の中盤から終盤に掛けて、苦しみながらも自分の中で、
パパに振り向いて欲しい“少年”から、
もう絶対1人で生きていく!と今度こそ硬く決心し、
“大人”へと成長していく様子を見せてくれています。
歌に感情を載せることって他の俳優さんでも、している方はもちろんいくらでもいるんですけど、
歌が上手くなかったらイマイチ伝わらないんですよね。
それに、そもそも演技力や表現力が備わっていないと「おぉ情熱的ねぇ…。」で片づいちゃう。ただ、圧倒させるだけ。
でも、芳雄は歌唱力も演技力もあるから、
歌にに感情を載せても音程外さず、リズムも崩さない、
そして重くなりすぎず、押し付けがましくもない。
観客に直接自分(ヴォルフ)の荒れ狂う心を見せてくれるので、
感情移入しやすい!泣ける!!
誰とは言いませんが、同じ役を演じた方のヴォルフは、
なんというか…感情ばかり載せて崩して歌うので、
うーん。感情移入どころか何の感情も持てなかったことありました。
リズムや歌い回しが気になってイライラみたいな笑。
まぁ、好き嫌いあるとは思いますが、感情を載せても楽譜通りを崩さない芳雄の歌い方が私は好きだし、
その良い歌い方がよく出ているのが、このヴォルフガングという役だと思います。
甘い甘い声と、本気で惚れてる?という顔
『モーツァルト!』の作品の中で数少ない“愛を語り合う曲”
『愛していれば分かり合える』
この曲すごーく好きなんですよね。
メロディーも好きだけど、歌詞も最高。
結婚式で流したかったくらいに好き!(マイナーだから諦めましたが笑)
古川くんといくちゃんの初恋同士のような純粋なハーモニーも
いっくんと綾ちゃんの情熱的なハーモニーも大好きだけど、
やっぱり私は芳雄とソニン派♪笑
ちょっとソニンコンスにリードされているような感じもするけれど、
翻弄されているようにも見えるけれど、
この時の芳雄のコンスを純粋に思う気持ちのこもった甘い声と、
え、ソニンちゃんのこと本気で好きでしょ?と思うような蕩けたような顔。
テレビでの歌唱を見ていても感じるのですが、
芳雄ってラブソング歌うとき本当に嬉しそうに、
相手のことを本気で思ってそうに微笑みながら歌うんですよね。
その思い、表情が歌声にも乗っていて甘い!甘い!
“恋している芳雄(ヴォルフ)”の表情と甘い声も、
モーツァルト!では楽しめるのです。
おわりに
いかがでしたか?
途中から感情が高まりすぎて、自分でも何を書いているか分からなくなってきましたが、笑
芳雄の良いところである、
歌のうまさ、
演技力の高さ、
感情を載せても楽譜通り歌える技術、
少しのヤンチャさ、
そして、恋する気持ちを隠さず表現する甘い歌声と表情。
この魅力のすべてが詰まっているので、
『モーツァルト!』のヴォルフガングは、
私にとって、芳雄の出た作品の中で1番好きですし、輝いていた!と感じる役なのです。
近日中に、また他の好きな作品と好きな役について、書きたいと思います。
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