シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ感想(ネタバレあり注意!)

2020-06-13

ごきげんよう!楓華 @Wisfil_Fukaです。

1月16日13時よりシアタークリエにて、

「シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ」を観劇しました。

1988年に音楽座の旗揚げ公演として上演されて以来、何度も再演され日本のオリジナルミュージカルとして愛されてきた作品です。

今回主演の(井上)芳雄や出演の濱めぐ(濱田めぐみ)さん、福井(晶一)さんがミュージカル俳優を志すきっかけになったこの作品。

名前は聞いたことあるけれど、見たことはなかった作品。ずっと気になっていた作品。やっと東宝で上演され、やっと見ることができました。

シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだの感想【ストーリー】

「夢」「希望」って何?

そんなけったいなもん!!アホらし!!

と思って生きてきた身寄りのない、梅田駅の降り口に捨てられていた「折口かよ」ちゃんと、

音大ではなく、経済学部卒で作曲家志望のバイトに遅刻、失敗ばかりする、皿も何枚割ったかわからない、人影に隠れてばかりの気弱で「探せば良いところも…ある?はず?」の三浦悠介(ゆうあんちゃん)のラブストーリー。

だけれど、ただのラブストーリーではない。

喫茶店の愉快な夫婦と常連客、おかしくてあたたかい(ゆるい?)宇宙人が出てきて、宝塚のレビューもはじまっちゃって、

(良い意味で)破茶滅茶!

歌のメロディーも音楽もワクワクするし、胸にしみる。

でもちょっとチープ?古い感じ?で、

「懐かし切なトキメキ曲」の数々でした。

めちゃくちゃ笑えるのに第二幕では涙が出てくる。カーテンコールでは皆すすり泣き。演者の目にも涙。

私も号泣しましたし、とても余韻に浸れる素晴らしい作品でした。

設定と舞台演出

設定は、初演の1988年頃なので、服装や設定がバブリーな感じ。

遊園地の場面の里美さん(仙名彩世)はスーツに超ミニスカート!

そんなカッコで遊園地いく?というような服装で、発言も「私がイタリアにいた頃はー」とかお金持ちアピールが激しく、やったら嫌らしい。

こんな子今時いないよーって感じで面白かった。

また、途中のテレビの中継シーンのボディコンスーツのアナウンサーと秋田のばぁちゃんたちの地方格差?日本国内でのバブルの温度差?服装の差?も笑った。

あと、喫茶店ケンタウロスに売買交渉にきたヤクザの「とりあえず5千万持ってきたぞ!」という発言も、

「えーー!こんな狭い店そんな高値で?親から伝え聞いた不動産バブルってこんな感じだったのね。」

と実感。笑

こんなところから、少しの古さと時代を感じました。(褒めています)

演出は、

元々、本多劇場など小劇場で上演されていた作品なので、

舞台装置もシンプルながら工夫とアイデアがたくさんあり、人力を感じられました。

そのため、大きな舞台装置を使う帝国劇場などのミュージカルより演者の演技力が光ってた!(シアタークリエの狭さもあるのだと思いますが)

遊園地の鏡の迷路のシーンでは、人が鏡を持ちながら移動することによって、悠介やかよ、里美が鏡の迷路に迷っているように演出したり、

宇宙船に乗りこむシーンでは、強いライトを3つほど置きUFOの下にあるランプを表現したり、

丸い大きめのスポットライトで宇宙船内を表現したり、

大きな舞台装置はないけれど、工夫とアイディアで観客の視線と想像力を掻き立てる素晴らしい舞台演出の数々でした。

あと、授賞式のシーンの歓声を浴びて世界的作曲家への階段を登っていく悠介と

“過去"に再度捕まり、また絶望の闇へと落とされていくカヨちゃんの対比が切なくも悲しかった。

 

 

出演者について

井上芳雄

もうずっと10年間くらいファン!大好き!!

でも井上芳雄は何をやっても井上芳雄だ。

と言われていた時期もあったし、ファンだけどそれを否定できない時期もあった。

でも、今回は良い意味で全くオーラがなかった。

元々小劇場で上演されていたから、良い意味で少しチープな作品である本作にプリンスが違和感無く溶け込んでいた。

去年のグレコメのピエールよりも、もっとダサく地味になれてたし、

それでいて組曲虐殺の多喜二先生よりも強く勇敢になっていた。

ちなみに、トート閣下のような冷酷さはありません笑

ひたすらに温かい、優しい、愛情深い男性でした。

カヨちゃんを迎えに行った後に、カヨちゃんを宇宙船に乗せるシーンの、

「大丈夫。君の辛いこと苦しみは宇宙旅行をたった10日この人たち(宇宙人)としているうちになくなるよ」

の寂しい気持ちを押し殺して、カヨちゃんのことを思っていうこのセリフの優しい言い方。

まるでフカフカの羽でできたクッションに包まれるような、安心感があったなぁ。

カヨちゃんの

「あいらぶゆーあんちゃん! 」

に対する、

「なまっているよ!」

の、嬉しいけど別れが辛い、

でも、笑いながらの絞り出すような涙まじりの返し。

こんな台詞回しの演技の芳雄初めて見れて嬉しかった。

あと、やっぱり!歌唱力は相変わらず凄まじく美しかった。

「たとえば流れ星見つからなくても、いつの日か夢は叶う」と歌い出した瞬間雰囲気・空気がガラッとかわって、

人生に絶望しながら歩んできたカヨちゃんが、

この人となら「夢」や「希望」を持てる。

私も持って良いんだ。と思えていったのだと感じた。

これからも推し続けることを決意しました。

 

咲妃みゆ

はじめましての女優さん。

海宝さんとYouTubeでa whole new worldを歌ってた

声が綺麗で顔の可愛い元トップ娘役さん。

というイメージしかありませんでした。

けれど、舞台に出てきた咲妃さんは、

タカラジェンヌさんらしい

綺麗で清らかでお姫様、お妃様、キラキラ~

という感じは全くせず、

言葉遣いの悪い、スリで生計を立てる屈折した性格のカヨそのもので、

振り幅の広さに驚き。

また、悠介に出会って「夢」を見つけ歩んでいく溌剌とした姿、

刑期中・刑期後の疲れ果てたボロボロの姿、

悠介と手を繋ぎ共に歩んでいく未来を見つめ「夢」を叶えていく表情、

演技力の高さにさらに驚き。

またまた、歌えば、歌のお姉さんのような綺麗で伸びやかな明るく美しい歌声。

正直歌唱力のない女優さんとだと、芳雄は少し手加減して音量調整しながら歌っているなぁーと感じることも多々あるけれど、

咲妃みゆさんとは手加減なしで、

思いっきり歌っていたので、咲妃さんの歌唱力の高さをかんじた。

(どこからかんじてるんだ!って感じですよね笑)

仙名彩世(ゆきちゃん)

生では、初めての女優さん。

でも、一応花組時代のメサイアのルウと、

エリザベートのヴィンデッシュ嬢の演技は、

DVDで拝見したことがあったので歌・ダンス・演技力の三拍子揃った逸材ということは把握していました。

そのため、生で拝見するのを楽しみにしていた女優さんです。

まず、遊園地のシーンでスーツにハイヒール、高そうなブランドバック姿。

歌えば高い歌唱力

でも喋れば、ちょっとやらしいプライドの高そうな嫌な女。

話し方まで嫌らしい笑

次は、宝塚レビューのシーン。

さすが元トップ。ダンスのキレが凄まじい。

指先・細部まで神経がしっかり行き渡っている滑らかさ、そして顔と姿形の煌びやかさ、オーラが他の演者さんと比にならない程光り輝いていました。

あのシーンは、ゆきちゃんがいるから輝いて、締まって見えたのだと思いました。

そして、UFO目撃情報のリポーター役。

ボディコン・ミニスカ、トサカあたまに濃いメイク。

似合ってるめちゃくちゃバブルスタイル似合ってる。

リポーターらしい大袈裟な話し方と、自分を可愛く見せようとする角度のつけかた、秋田のマイペースなおばぁちゃんたちに明かにイラつく顔。

それでも、曲げない「自分可愛でしょ?」という表情と話し方と仕草。

ゆきちゃん!最高でした。

ここまで、コミカルな演技ができるなんて予想していませんでした。

ヴィンデッシュ嬢の気高いけれど狂っている姿、

ルウの強い信仰と意志と愛を持つ清らかな姿、

私が知っている中のゆきちゃんには、この演技はなかったので、上から目線ですが半端じゃない伸びしろを感じました。

主役ではなく、脇に欠かせない名ミュージカル女優になっていくんだろうな。と願いも込めて思いました。

ミス・サイゴンのエレンも楽しみ!!

濱田めぐみ

ミュージカル界の至宝。

演技力も歌唱力も申し分ないのに、喋ればやかましいおばちゃん。

一度日比谷でプライベートをお見かけしたことがありますが、“超普通”で親しみやすい素敵な方でした。

音楽座→劇団四季→ホリプロ

という経歴で、元々音楽座にいた方なので、この作品とても出たかったんだろうなぁと思います。

今回の役は、悠介とカヨがアルバイトする喫茶店のちょっとお節介な奥さんの役です。

旦那様役は、福井晶一さん。

劇団四季時代に、アイーダのラダメスとアイーダを演じた伝説のコンビです。

(あと、昨年のレミゼでのバルジャンとファンティーヌ、コンビ。)

悠介とカヨちゃんの引越しを手伝い、

「新婚いいわねー!私たちにもー」という場面では、そっと2人寄り添っていて、

その姿は、四季で共に演じてきた仲間だからこそ出せる“熟年夫婦”感があり、ミュージカルファンとしては胸熱でした。

“これ”といった歌の見せ所はないけれども、力強い歌声は皆で歌うシーンでもしっかりと聴こえてきました。

また、宝塚のレビューのシーンでは、

花組元トップ娘役の横で堂々と歌って踊ってしていました。

ゆきちゃんの輝きとダンスには到底敵いませんが、50歳手前だとは思えない華麗なダンスを見せてくれました。

濱めぐさんは、歌も演技も素晴らしいけれど何よりも、

舞台が好き。

ミュージカルが好き。

お芝居が好き。

というのがどの作品を見ていても感じられ、

どの作品でも、どの演者さんよりも全力投球なのが見れるので、大好きです。

あと、芳雄との福岡コンビ軽快トークも大好き。

上原理生

2011年のアンジョルラスの、歌声と存在感に圧倒された方。

その後も革命家てきな血気盛んな役どころが多かったけれど、

今回は悠介の恩師の音楽家先生と宇宙人。

音楽家先生の役は、モジャモジャヘアにモジャモジャ髭。芸術家らしく少しえらそうなかんじだけれども、悠介の才能を認め、信じ、助けてくれる方。

一方の宇宙人は、ボス的な存在。

宇宙人服なので、手足の長さとスタイルの良さがよくわかりとても似合っていました。

深い厚みのある歌声を発揮できる場面は数えるくらいしかなかったけれど、

地球に降り立った宇宙人仲間に?部下?に指示を出す際の声に深みと厚みがあり、

地声からして良い声なのね!と今更発見できました。

おまけ。。明日海りお

出演者さんではありません。

お客さんです。

開演5分前くらいに“宝塚っぽい”感じの方がずらずらと入って来られました。

10列目ほどの席に着席していくなか、その中の1人の方が3列目まで進んで行きました。

すらっとしていて綺麗な人だぁ・・・。

とぼんやり見ていたのですが、

見覚えがある…。

「!??明日海さん!!」

他の方も気付いてガヤガヤ。

私の、隣の方もオペラグラスで確認し「みりおさんですね。」と。

周りのガヤガヤもあまり気にされず、先に着席されていた組子さんと話しながらゆっくり着席。

着席後も楽しそうに談笑。

開演直前で私は、軽くパニック。

ずっと憧れていた方にプライベートで会えるなんて…。

後頭部しか、もはや見えなくても、頭の小ささ、髪の艶々さ、なんといってもオーラは一般人ではなく、THE TOP OF TOP でした。

黒いセーターに大きいネックレスにパンツスタイル。足長い。カッコ良い!

黒縁メガネをかけていましたが、美しい。

スタンディングオベーションもして、終演までしっかりおり、

みりおさん見たさ、撮りたさに狭い出口が更に狭くなっても、

嫌な顔もせず並んでゆっくりと歩き、

出口へときえていきました。

いつかまた遭遇したいです笑

さいごに

宇宙人まで絡んでくる!と聞くと、

ものすごく壮大な作品!?

と、はじめは私も思いましたが、ありふれた日常や、今隣にいてくれる人をもっと大切にしたいと思え、そして、愛おしいく思えるようになる作品です。

また、

「諦めることは誰にだってできる」じゃぁ私には何が出来る?

微笑みを絶やさず、夢を持ってこれからも腐らず歩んで行こう!

そんな大切なことに気付かされ、考えさせられた作品でもあります。

またぜひ近いうちに再演してほしいです。

このミュージカルは音源化されているので、気になる方は是非手にとってみてください。

特に”ドリーム”は勇気貰える歌詞と、綺麗なメロディーラインが心にグッと来ます。

1月17日の公演に撮影が入っていたようなので、もしかしたら映像化されるのかもしれないですね!速報を待ちましょう!

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それでは!ごきげんよう楓華でした。

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