現金給付10万円が元信金窓口的に憂鬱な理由

ごきげんよう!楓華 @Wisfil_Fukaです。

5月1日よりコロナによる緊急経済対策として、国民1人あたり10万円の特別定額給付金の申し込みが開始されましたね。

最初は、旅行券だとか、和牛券だとかヘンテコなことを言っていましたが、

国民1人あたり10万円現金で頂けることになったのだから、とても有難い話です。

しかーし!!元信金窓口としては、手放しでは喜べない事情があります。

まぁもう勤務していないので、関係ないっちゃないんですが、

まだ働いていたら、きっと10万円給付を憂鬱に感じていたであろうと予想されます。

そこで、今回は、

『信金窓口的に現金給付10万円が手放しで喜べない理由』について紹介します!

 

入庫から辞めるまでの過程については、こちらから!

https://panfoo-8bit.net/why-shinkin/

もう振込まれていると思いがちだから。

信用金庫の窓口にやってくるお客様の多くは、70歳以上の高齢者の方です。

皆が皆そう、とは言いませんが、この年代の方の特徴として、

  • 人の話を最後まで聞かない。
  • 内容を歪曲して理解する。
  • 怒りっぽい

という3つがあります。

5月1日にテレビで、

「本日から現金給付の申請がはじまりました!」

と報道がありましたが、彼らの多くは、申請の部分は綺麗に聞き逃し、

「現金給付始まったんでしょ?私の口座に入っているか記帳して!」でしたり、

「現金給付始まった!って聞いたから急いで来たのに、なんで振り込まれてないの?おかしいわよ!」

などと窓口にやって来る可能性がとても高いです。

やけにフットワーク軽いんですよね笑。

 

「申請書が送られてくるので、それに必要事項を記入して返送したら振込まれますよー。」とどんなに丁寧に説明しても、

「え、だから!今日からなんでしょ?なんでなんで?意味わからない!!今日からって聞いたから急いで来たのに。」

などと仰り、鼻から窓口の話を聞いてくれず、

テレビで聞いた一部の情報、

自分に都合のいいように歪曲して理解した内容を絶対に曲げない方が多々いらっしゃいます。

 

実際、昨年『三菱UFJ銀行が口座管理手数料を頂くことを検討している。』というニュースが出た時のこと。

「今度から、口座管理手数料取るんでしょ?」

「私、お宅とは長い取引なのにお金預けて手数料取られるなんてやってられない。全部解約して現金で手元に置いておくわ。」

などと仰る方々が殺到しました。

この件に関しては、

  1. 当庫は三菱UFJ銀行ではない。(てか信用金庫)
  2. 当庫は口座管理手数料を取ることをまだ検討していない。
  3. そもそもUFJさんも“検討”であって、始めるとは言ってない。
  4. 使っていない口座に対して頂くという方針だそうなので、年金振込や公共料金の引落がある口座からは、UFJさんも頂かないですよ。
  5. 将来的に頂く事が決まったら、余裕を持って何らかの方法でお知らせするので安心してください。

等々とお一人お一人に丁寧に申し上げましたが、なかなか理解して頂けず、

「嘘つき!」呼ばわりされたり、

「これだから、銀行は嫌い!銭ゲバ!守銭奴!」という捨て台詞を吐かれたりする事も多々。

話し聞いて!

なんでそうなるのよー!と何度叫びたくなったことか…。

マイナンバーカードで簡単に手続き可能!が全然簡単じゃないから。

今回の、10万円の特別定額給付金は、

申請書が送られてくるので、それに必要事項を記入して返送か、

マイナンバーカードを持っている場合は、申請書がくる前にオンライン申請も出来ます。

高齢者の方は、不思議とマイナンバーカードを持っている率が高いので、テレビで『マイナンバーカードがあれば簡単に申請出来ます!』と聞くと、

「私これに該当しているわ!」と嬉々とすることでしょう。

しかし、方法がよく分からない。

すると何故か役所ではなく、近くにある信用金庫窓口に、

「これ(マイナンバーカード)あれば簡単に申請出来るってテレビで聞いたんだけど、どうするの?」と相談にやって来ることでしょう。

遠くの役所(繋がらない役所の電話)より、近くの信金という感じなんですかね…。謎思考回路…。

「スマホやパソコンお持ちですか?インターネットに繋いで総務省のサイトにアクセスしたら、そこから申請出来るみたいですよ。でも私はやったことないので、詳しくは分からないんですよ…。」

と窓口担当としては、答えられず、それでお帰りいただくしかありません。(だって金融機関の窓口だもん。)

 

しかし、「じゃあ手伝って!」と言われケータイ電話(スマホではない)を取り出し、差し出して来るのです。

ここ金融機関だよ。他の人待っているんだけどなー。と思い、

「お手伝いはごめんなさい。」と断ると、

「感じ悪い!若いんだから、分かるでしょ?やってくれたっていいじゃない!」

とご立腹されることでしょう。

実際、私はこのような感じで、80歳近い男性に怒られ、粘られ、某旅行会社のキャンセル電話を掛け、状況を話し、キャンセル手続方法と返金の流れを聞き、お客様に説明したことがあります。

(旅行会社の人も困惑されていました…。)

このように、マイナンバーで簡単手続き出来る!という文言から容易に予測される事案を想像しただけで鬱です…。

紙の申請書の書き方も分からないから。

さてここからは、紙の申請書が各宅に届いてからのことです。

テレビでも丁寧に、紙の申請書の書き方を説明していますし、

書き方見本もちゃんと付けて下さっているので、記入は簡単!

なんてことは、ないのです。

信金にやって来るお客様は、見本なんて見ないし、

テレビでやっている書き方の説明なんて聞かないのです。

窓口で聞いたら教えてくれる!

という精神で白紙の申請書を持って来店されることでしょう。

実際、私が窓口をしていた時は、

「後期高齢者医療保険(や住民税、固定資産税など)の自動引落の用紙の記入方法教えてー!」

と1日に1回はお客様がいらっしゃったものです。

見本がついていても、そんなお構いなしなのです。

しかし、まだ税金の自動引落の用紙だったら、支店のある市区町村の申請書を支店に置いてあるし、件数も多いし、まだ許せるのですが、

一度、某通販会社の分割払い申請書を持ってこられ、

「これどうやって書くの?」と聞かれたことがあります。

そのお客様はご丁寧に、“書き方見本”をご自宅に置いて来たため、

私は初めて見る、書き方も分からない用紙の書き方の説明をせざるを得なくなったのです。

「私もこの用紙初めて見るので、正しい保証は出来ませんので、金融機関の窓口という立場ではなく、お客様の知人という立場としてご案内しますね。万一間違えていても責任取れないですよ。」

と一応断った上で案内し、最後にはコンビニ(切手販売場所)と郵便ポストの場所まで教えてお帰り頂きました。

この時は、ほかにお客様がいらっしゃらず余裕があったので、丁寧に対応出来ましたが、

コロナの影響で出勤人数を抑えている中で、

このようなお客様が殺到するなんて、本当に大変です…。

また、今回の給付金申請には、世帯主の本人確認書類のコピーと口座確認できる通帳やキャッシュカードのコピーもつけなくてはならないようなので、更なる波乱の予感しかしません。

(「コンビニのコピー機なんて使ったことないから、分からない。」 「お宅でコピーしてよ。」等々。)

様々な要望、ワガママを言いがちだから。

口座を分けたい!

「この口座は、年金振込用。」

「この口座は、公共料金引落用。」

「これは、保険料支払い用。」

という風に、多くの年配の方は、普通預金を複数お持ちになって用途ごとに口座を分けていらっしゃいます。

そのため、今回のような給付金に関しても、それ専用の口座を持ちたがります。

お気持ちは分からなくは無いですが、恐らくこのような給付金は暫くは無いであろうことが予想されますし、

そもそも最近はマネーロンダリングの関係、金融庁に払う口座管理手数料を金融機関が負担している関係で、口座開設はそう簡単に出来ません。

そのため、ただ他の口座と「分けたい。」というご要望には答えかねます。

しかし、彼らは、窓口のみならず役席まで出動させるほど、粘りに粘るのです。

どんなに、粘っても正当事由とは認められないので、開設は出来ません。

ただ、手を煩わせるだけ…。トホホホ。

ATMの使い方教えて!

今金融機関は、極力窓口利用を断りしています。

そのため、10万円が振り込まれても極力ATMの利用をお願いしています。(在職中の同期から聞きました。)

しかし、年配の方ってATMの使い方覚えてくれないんですよ!

「この人毎月教えてる…。」なんて思いつつ毎度教えなくてはいけない辛さと面倒さ。

内心「覚える気ないんでしょ。いい加減にしてよ。」なんて思いつつも笑顔でご案内しなくてはいけないのです。

また、ATMコーナーはあまり広くないので、かなり“密”になって案内しなくてはいけないので、「うー!近い。」なんて思いつつも、顔や態度に出すなんてできません。

しかも、年配の方は手が乾燥しているのでATMの反応が悪く、

タイムアップになったり、間違えたところを押したり、と操作も一苦労。

(ちなみに職員は、ATMの操作案内しか出来ず、実際の操作はお客様にして頂かなくてはいけません。)

こんな感じなら、窓口の方が楽だよ…。と思うのですが、印鑑も通帳も持って来てないパターンが多いので、

何度タイムアップになっても、懲りずに頑張るしかないのです。

暗証番号忘れた!教えて!

もうこれは、本当にお気の毒なのですが、

来店のたびに暗証番号を忘れ、変更される方が多いです。

そのため、10万円給付され、ATMで出金しようと思ったら、

「暗証番号分からない。教えて!」なんてことも予想されます。

まず、お客様の暗証番号はこちらでは保管していないので、暗証番号を変更していただくしかないのですが、

そのためには、本人確認書類とお届印が必要になります。

しかし、「私よ私!本人よ。わかるでしょ?ずっと取引してきたじゃない!」と本人確認書類提示を渋ったり、

届出印鑑がわからなくなり、印鑑変更手続までせざるを得なくなったり、

なんてことも発生します。

“密”を避けるためのATM利用が、まさかの濃厚接触を発生させかねない困った事案です…。

ちなみに、大きな声では言えませんが、あまりにも暗証番号を忘れる方には、暗証番号を変えた際にその場で別の紙に番号を書いて頂き、お財布などの中にその紙を入れておいて頂き、

「忘れた!」といった際には、

「○○に入っている紙に書いてありません?」などと案内?したこともあります。

褒められた行動ではないですが、暗証番号をあまりに忘れるので窓口担当のみの秘密でやってました笑。

おわりに

いかがでしたか?

あくまで、信用金庫での勤務経験から予想される事柄を並べましたが、信金時代の同期と最近話したところ、

「このコロナ渦でも、暇だからーと話し相手を求めて来店したり、不要不急の住所変更とか小銭入金で沢山お客さん来るんだよね。いつもより多くて困っている。」

と言っていたので、恐らく10万円の特別給付でもお構いなしで来店されているんだろうなー。なんて予想できます。

また、区役所や市役所に人が殺到した。というニュースが朝流れていたので、「じゃぁ信金さんに。」なんていう考えで更に殺到しそう…。

在職同期や先輩、後輩には申し訳ないけど、脱出しといて良かった…。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございまいた。

それでは!ごきげんよう。

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