ごきげんよう!楓華 @Wisfil_Fukaです。
今回は、宝塚時代に“女帝”と言われ、12年間もトップであり続け、そして退団後も多くの帝劇作品で主役もしくは、主役級を演じ続けるミュージカル界の“女王”“姫”である、花まりさんについての持論を紹介します!
※途中批判と受け取られる可能性のある部分もあるかもしれません。批判をしたいわけではなく、あくまで自論で、個人的な意見ですのでご了承ください。
花まりさんとの出会い

私が、初めて花まりさんの存在を知ったのは『レディ・ベス』の公演前に“ベスをめぐる旅”というようなブログ?が公式サイトで公開された時のことでした。
当時宝塚に疎かった私は、彼女が長らくトップをしていたという過去のキャリアも知らず、
「薄幸そうで、地味なこの方が主役するんだ。」くらいいにしか思っていませんでした。
しかし、舞台を観に行くと、
可憐だけれど賢そうで、運命を受け入れる大きな器を備え持っていく少女役から、
恋を捨て、国と結婚し女王としてのオーラ、気品を備えた1人の女性役まで、
1人が演じているとは思えない、可愛さと品とオーラのある存在感、そして演技力に度肝を抜かれました。
また、彼女の舞台メイク映えする顔の美しさにも惹かれ、
「これからこの人は、数々の大きな舞台、作品を彩ってくれる存在になるんだろう。」
と彼女が立つであろう、これら上演されるであろう、舞台に期待をしました。
そして、その予想通り『モーツァルト!』に同年の年末に出演し、
ヴォルフと一緒にふざけながらも、大人へと成長し、彼を心配し、彼を思いながらも、彼に人生を翻弄されていく姉ナンネール役を可愛く、薄幸に、演じ、
彼女の演技力、人を惹きつける魅力にどんどん魅了されました。
伝説的なシシィ
彼女との出会いから1年。
2015年に大好きなミュージカル『エリザベート』が一新して返ってきました。
その主役シシィを演じるのは、
「日本初上演時にシシィを演じた!」という花まりさんと、
この前まで花組でトップをしていて、『エリザベート』で退団した蘭はなちゃん。
蘭はなちゃんについては、今回はちょっと置いておき、
この時初めて私は、花まりさんが日本で初めてシシィ役を演じた凄い人!ということを知り、
そして、約20年の時を経て、初代シシィが新シシィを演じること、
トップ娘役を長年務めていた人がシシィを演じる!ということ、
この2つに大興奮したのを覚えています。
というのも……私は麻子さんやオサさんのような大柄で、貫禄がある元男役さん演じる強いシシィも好きだったけれども、
正直、女性らしい可憐で、芯のある、高音の綺麗なシシィも見てみたい!と常々思っていたので、やっと娘役のシシィが見れる!しかも、初代シシィの人のシシィが!と嬉しかったのです。
(ただ、同時に20年前に演じた人ってことは、この人何才?と疑問に感じつつも、年齢を調べたりはしませんでした笑。)
お転婆で純粋な少女期から
田舎娘から“意志”を持ち、自分の美しさを武器に希望を通す強さを持ち、
そしてハンガリー統一に成功し自信を持ち、でも心を病み流浪の旅に出て行き、そして最後には“死”へと向かう様、
どの演技を取っても上手で、レディベス同様、1人が演じていると思えないシシィが憑依したような演技で、歌唱力もそこそこあり、
ハプスブルク家の“皇后”としての品と、
ミュージカル界の“女帝”としてのオーラが眩しく、
「この人は、シシィを演じるためにこの世に生まれて来たんだ。」
と思うほどに、舞台上でただならぬ光を放ちまくっていながらも、
トークショーやインスタ、Twitterでは親しみやすい、ちょっと抜けている一面が見れて、
ギャップにまで魅力を感じ、可愛い!と思い、
彼女のでる作品は必ず見に行く、2回は見る!というほどに花まりさんのプチファンになりました。
しかし…そんな私も、
翌年の2016年、そして2019年の『エリザベート』再演、再再演と繰り返すうちに、徐々に彼女に対して違和感を持つようになっていきました。
『エリザベート』を『放浪記』にしないで
その違和感とは、2016年にセンターエリアの2列目で観劇した時のこと。
私は、1階席の後方や、2階席からゆっくり観劇することが好きだったため、顔の細かい表情を見るのもオペラグラス越しばかりでした。
しかし、ありがたいことに前から2列目のチケットをGET。
つまり、初めて、すぐ触れそうな距離、オペラグラスなしで細かいところまで見えてしまうような距離で大好きな作品を観劇したのです。
2列目から見る花まりさんの演技は、“迫真”そのもので、迫力があり、いつも以上に感情移入し泣けました。
しかし!しかーし。
同時に、近くから見たが故にとても失礼ながら、
「おばちゃんじゃん…。顔と首の小ジワがぁ。そして手なんてうちのママみたい…。」
と思ってしまったのです。
そして、ようやく「女性だから失礼かな。」なんて遠慮は捨て、初めて年齢を検索し、43才と知り倒れそうに。
さすがに、今の私の母ほどの年齢ではなかったですが、ほぼほぼ私が高校生の時の母の年齢である上に、首や手など年齢が出やすい箇所は、年齢なりだったのです。
そして、昨年の再々演前の写真で、20代のちゃぴシシィと並んでいる姿は、安定のオーラと気品で美しいけれど、
正直年齢でいうと親子ほどだし、年齢差も見ただけで歴然。
演技や衣装もだんだん、最初の方とか若作りの痛い仮装にしか見えなくなってきて、
平方フランツとは親子にしか見えないし、
ルドヴィカ(母)とは同年代にしか見えないし、ヘレネ(姉)より年上に見えるし、
「この人いつまでシシィやるの?」
「森光子ねらっているの…?」
と思ってしまうように。
紛れもなく、魂の放浪や、晩年、そして“死”へと向かって行く様子の演技は回を追うごとに進化していき、必涙ものではあるし、
若いちゃぴも十分素晴らしいけれど、ちゃぴはまだ花まりさんの足元にも及ばない演技だとは思います。
それほど、花まりさんの演技は素晴らしいと思います。
しかし、それでも、その演技力とオーラ、真ん中力を持っても、
とても好感を持ち、大好きだった花まりさんという存在、花まりシシィに違和感をどんどん持つようになってしまったのです。
引き際が大事。
私が、こんなふうに思ってしまった背景、理由は、
1つ目は、歳やキャリアに応じて演じる役を変えて行くべきだと思うから。
2つ目は、惜しまれつつ…が1番美しいとお思うから。
3つ目は、後任に役を譲ること、後継を育てることもレジェンドの仕事であると思うから。
の3つです。
まずは、2つ目ですが、
私は井上芳雄の10年来のファンで、1番好きな彼の役は『モーツァルト!』のヴォルフガングです。
しかし、ご存知の通り、彼の意思なのか東宝の勘違いなのか、未だ謎のままですが、彼はヴォルフから引退しました。
ファンとしては、芳雄ヴォルフをこの先何度だって見ていたかったし、年齢やキャリアが上がるごとに表現力も高まるので、進化するヴォルフを見続けたかったです。
しかし、あっさり引退。
このあっさりさが、私は、カッコいい。と思いました。
惜しまれつつ退いたから、彼のヴォルフは伝説?になったわけだし、
彼が退いたから、新しい古川ヴォルフが誕生したわけだし、
ヴォルフを演じなくなったからこそ、新しい役にも挑戦できるようになり演技の幅も広がったと感じます。
もしも、「え、いつまで演じてるの?」とどこかの時点で思われていたら、あんな花道はなかったと思うし、
伝説のヴォルフのように言われることもなかったと思うし、どこかで疎まれる存在になっていたと思います。
そのため、惜しまれつつが1番美しいし、その後のキャリアにも良い影響を与えうると思います。
1つ目と3つ目は、少し被っているのでまとめて説明します。
例えば、涼風真世さん。過去には、東宝では2代目のシシィや『マリーアントアネット』で主役を演じられています。
昔は、主役を張れる女優さんであったわけですが、今はゾフィだったり『レディベス』のアシュリー役などで、作品や主役を支える脇役を演じていらしゃいます。
もしかしたら、主役という役回りのオファーが来なくなっただけなのかもしれませんが、私から見ると、年齢に合わせて演じる役や自分の立ち位置を変えているように見え、潔い!と思います。
個人的には、シシィを演じていた人が歳を重ね、嫁(シシィ)から姑(ゾフィ)へと進化したというのは、女性の本当の人生のようで面白いし、魅力的だと思うので、好印象です。
また、彼女(涼風真世)がシシィ役を退いたから、麻子さんやオサさんがシシィになれたわけだと思うので、
もしかしたら、花まりさんが退くことにより、大好評の声が高かった実咲凛音や、
私の贔屓である真彩希帆ちゃんのシシィが見れるのかもしれない。と密かに期待をいているので、
演技力がすごい、レジェンドおばさんシシィよりも、
作品にファンがついているからこそ、退団後のジャンプアップのきっかけとして、歌うまジェンヌさんにシシィを演じて欲しいと考えています。
また、彼女が居座ることにより、シシィやその他の主役級の役を演じられたかもしれない、“旬”の女優さんの芽を摘むことにもなりかねない。とも思うのです。
あと、映像の世界と舞台の世界では別ものですが、
例えば、もうすぐママになる桐谷美玲がいつまでも高校生の役を演じていたら違和感しかないし、
芦田愛菜ちゃんがいつまでも小学生の役を演じる“子役”であり続けるなんて不自然なことであるように、
年齢に合わせた演技のシフト、役のシフトは重要だと思います。
おわりに
結構辛辣なことを書いてしまったので、
花まりさんのファンの方には不快感を与えてしまったかもしれません。すみません。
しかし、私も熱量は少し下がるとはいえ、イチ花まり好きとして、彼女にはいつまでも“姫”に居座らず、
汚い役や、年増の役など主役ではない役を演じ、演技の幅、演じる役の幅を広げ、
息の長い女優さんになって頂きたいと思うが故に、たくさんの苦言を呈してしまいました。
引き際についてや、後輩へ譲ること、後輩の育成というのは、一般社会でもなかなか容易なことではなく、よく揉めている印象がありますが、
若手に機会を譲ることにより、職場の活性化にも繋がるとおもうので、
一般社会同様、後輩育成や後輩への椅子の明け渡しをして、良い人材がもっと増え、育ち、ミュージカル界の更なる発展を願っています。
(花まりさんの意思ではなく、オファーがあるからそれを受けているだけなのかもしれませんが…。)
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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